奈良国立大学機構

 国際戦略センターキックオフシンポジウムのプレイベントを開催しました(9月26日)


<ストラスブール大学(フランス)アンドレア・ヤング先生のワークショップ>
 奈良国立大学機構・国際戦略センターでは9月26日(金)にストラスブール大学(フランス)からアンドレア・ヤング先生をお迎えし、「フランスの言語政策・教育・教員養成—言語意識・複言語教育の視点から—」と題してレクチャー&教材体験ワークショップのイベントを奈良教育大学ESD・SDGsセンターにて開催しました。これは同国際戦略センターが28日(木)に行ったキックオフシンポジウムのプレイベントとして実施したもので、奈良教育大学・奈良女子大学の学生や教職員、また小中高等学校などの現職教員を対象に企画されました。
 当日は国際戦略センター長の吉村雅仁(奈良教育大学・教授)が進行役をつとめる中、バイリンガル教育、異文化間教育、複言語主義、言語意識、また教員養成などといった言語教育に関する幅広い領域の専門家であるヤング博士(ストラスブール大学国際関係・言語政策部次長)から、フランスの言語政策や教育、また教員養成に関する課題やその課題に対する取り組みについて、会場との質疑応答を交えながらお話ししていただきました。そして、関係者含め会場につどった30名ほどがグループに分かれ、院生や学部生(奈良教育大学、奈良女子大学)、初等・中等・高等教育の現職教員・研究者など、多様な立場の人同士がワークやディスカッションなどを含む言語意識に関する教材をともに体験しました。
 日本の言語教育やそれぞれの実践現場の課題とも類似する点への示唆も豊富で、質問の手がさまざまあがったり、グループワークでも時間が足りないから延ばしてほしいとの要望が参加者から出たり、また、イベント終了後の会場には続けてコミュニケーションをはかっているグループやペアが複数残っていたりと参加者の盛り上がりや関心の高さの様子がうかがえました。
 奈良国立大学機構・国際戦略センターでは今後も、海外の取り組みや課題に目を向けて学びつつも、足元の地域が多文化化・国際化する中で浮かび上がったり潜在化していたりする課題にも向き合うべく、グローバルとローカルをつなぎながら学ぶ場や、そうした場をつくり出す教員や市民の育成に取り組んでいきたいと思います。

      
     ワークショップの様子
  ワークショップの様子    
   


<ライス大学(アメリカ)河野淳一郎先生の講演会「米国の大学での学びと研究」>
 国際戦略センター・キックオフシンポジウムのプレイベントとして、2023年9月28日(木)10:00- 11:00、本機構アドバイザリーボードの河野淳一郎先生(アメリカ・ライス大学教授)をお招きして「米国の大学での学びと研究」と題する講演会を奈良カレッジズ交流テラスにて開催しました。
  河野先生は日本で学士号・修士号を取得された後に米国に渡り、博士号を取得された後も米国の著名な研究機関と大学 にて多様な研究活動に取り組まれ、現在も固体物理学を始めとする様々な分野の最前線で活躍されています。米国の大学での学び、学位取得、ポストドク研究活動や若手教員のキャリア形成について、ご自身の体験に基づく貴重な話題を提供していただきました。
  米国の大学では近年アジア諸国からの留学生が増加し続ける一方で、日本からの留学生が減っていること、また、米国のいわゆる研究大学と認知される大学では、大学院生と教員の高い流動性と国際的な研究ネットワーク通じて世界をリードする研究活動が展開されていることなどを紹介していただきました。
  講演後は教員・学生の参加者と意見交換を行いました。国際的な流動性を高めて研究活動を活性化させる方法や、海外留学に対する心がけ、国際的に研究することの意義などについて熱心な意見交換がありました。
  国際戦略センターは、奈良教育大学・奈良女子大学の教員と学生の国際交流の促進を目指して、今後も本機構アドバイザリーボードをはじめとして海外研究者との交流機会を設けて行きたいと思います。

       
       講演会の様子
    講演会の様子    
   

キックオフシンポジウムの詳細は こちら