ニュースレター「ならこく」Vol.23 目次
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奈良国立大学機構 榊󠄀理事長から
- 2024年ノーベル物理学賞と化学賞が語る学際研究の大切さ
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ノーベル賞は毎年話題になるが、2024年は平和賞が日本原水爆被害者団体協議会に授与されたことと、物理学賞と化学賞が耳目を集める人工知能(AI)に関わる研究者に与えられたため、例年以上に大きな関心を呼んだ。広島と長崎での原爆投下の80年後も核兵器が廃絶できない世界が続く中で、AIの誕生や展開に貢献した賢者たちが顕彰された事実は、人類の知恵の偉大さと限界を深く認識させ、より良い未来を拓くには、人智をさらに高める努力の継続が必須であることを語っているように思われる。
さて、24年のノーベル物理学賞は、人工的な神経網による機械学習を可能にする基礎的な発見と発明に貢献したJ. Hopfield博士とG. Hinton博士に授与された。両博士は、情報科学や計算機科学の分野で研究を進め、音声や画像の認識、翻訳や文献情報処理などで不可欠な機械学習法の基盤構築と発展に寄与し、物理学を基盤にしつつも、物理学・情報科学・脳神経科学が交差する学際的な新分野の開拓を通じて大きな貢献をなしている。
他方、化学賞は、化学・生物学・医学分野において重要なタンパク分子を対象に、その計算的設計法の開拓と分子合成に貢献したD. Baker博士と、多くのタンパク分子のアミノ酸配列の情報のみから複雑な立体構造を予測する機械学習手法を高度化したD. Hassabis博士とJ. Jumper博士が受賞した。Hassabis博士は、囲碁向けの最強の人工知能プログラムを開発した後、タンパク分子の構造予測に取組み、Jumper博士の協力も得て、予測精度を格段に高めた機械学習プログラムを完成させた情報科学の専門家である。
以上、述べたように、物理学や化学分野に限らず、多くの学問領域ではすそ野が広がり、他分野と重なる学際性の強い領域から卓越した研究成果が生まれる例が増えている。この点を考慮し、大学も教育・研究体制を見直し、分野の壁を越える横断力と深い専門性を兼備した統合的知性や総合知人材の育成を進めることが急務であろう。奈良国立大学機構傘下の二大学で、関連の議論が活発化することを祈念している。また、人工知能分野では、甘利俊一博士など日本の研究者が先駆的学際研究を進めた実績も多く、今後の取組みが大きな果実を生み出すことを期待している。
- 国立大学法人 奈良国立大学機構 理事長 榊󠄀 裕之

両大学共通の取り組み
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●【B-1】模擬EU(Model European Union:MEU)本会議を開催
●【B-2 】第6回くらしものづくりカレッジ「革からみるものづくり~作り手と使い手からうまれるグローブの話~」を開催
●【B-3 】国際戦略センターが留学生を対象に「いけばな教室」を開催
●【B-4 】【奈良女生限定】国際交流イベント「中国で秋冬を徹底的に楽しむには?」を開催
●【B-5 】【奈良女生限定】国際交流イベント「ベトナムの食文化探求 バインセオ作りの体験」を開催
奈良教育大学の取り組み
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●【C-1】「奈良SDGs学び旅」が「全国商工会議所きらり輝き観光振興大賞」を受賞
- 展覧会「博物館実習成果報告展-時代の流れがわかる文化展-」(12/13~1/29)
- ◆日程:令和6年(2024年)12月13日(金)~令和7年(2025年)1月29日(水)13:00~17:00
◆場所:奈良教育大学 教育資料館 - 「第11回日展 巡回展」にて美術教育講座の竹内教授・北山准教授の受賞作品が展示
- ◆京都:令和6年12月21日(土)~令和7年1月18日(土)(会場)京都市京セラ美術館
◆名古屋:令和7年1月22日(水)~令和7年2月9日(日)(会場)愛知県美術館ギャラリー
◆神戸:令和7年2月15日(土)~令和7年3月23日(日)(会場)神戸ゆかりの美術館・神戸ファッション美術館
◆富山:令和7年4月25日(金)~令和7年5月11日(日)(会場)富山県民会館美術館 - ならやまオープンセミナーESD・SDGs連続オンラインセミナー(2024)
- ◆日程:第5回 地域づくりの視点からのESD 2025年 1月25日(土)14:00~16:00
◆場所:Zoom
●【C-2】奈良教育大学「へき地教育ティーチャー」認定証授与式を開催
●【C-3】仮名書道研究室がならまちで仮名書道を教えるワークショップを実施
●【C-4】音楽教育専修声楽研究室が福祉施設でコンサートを開催
●【C-5】本学学生の作成したイラストパネルが但馬牛博物館にて展示されました
●【C-6】附属小学校5年生の北尾幸乃さんが絵画コンクールで農林水産大臣賞を受賞
●【C-7】「奈良マラソン2024」になっきょんが沿道応援、多数の本学学生と教職員が選手、また保健体育専修の学生と笠次教授が救護スタッフとして参加しました
●【C-8】保健体育講座の笠次良爾教授が附属中学校で出前授業を担当
★開催案内
奈良女子大学の取り組み
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●【D-1 】第6回 学長主催 学内研究交流・懇談会を開催
- 2024年度第19回女性史学賞授賞式及び受賞者講演(1月11日)
- ◆日程:2025年1月11日(土) 13:00~16:00
◆場所:奈良女子大学 記念館講堂
●【D-2 】学業優秀者への奨学金授与式を実施(第66回佐保会奨学金授与式)
●【D-3 】研究推進に関するラウンドミーティング等を開催
●【D-4 】河野銀子氏を講師に迎えた『2024年度第2回ジェンダーギャップを越えるSTEAM教育研究会』を開催
★開催案内
- ならこくニュースレター
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企画:機構総務課 広報基金係
Tel:0742-20-3220
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