合評セッションの様子

なら100年会館で本機構榊裕之理事長がサイエンス基礎講座で講演を行いました。

 令和5年12月14日(木)に本機構榊裕之理事長が、なら100年会館において、SSHサイエンス基礎講座として、「身の回りの科学・技術から、人と世界の未来を考えよう」というタイトルで講演しました。
   今回の講演会には、奈良女子大学附属中等教育学校の1年生から5年生の600名と、奈良教育大学附属中学校1年生から3年生の400名が参加しました。両大学附属学校間でこのような規模での共同開催は法人統合後はじめてのことでした。
 榊理事長は、第2次大戦終了の10か月前に名古屋で誕生した当時とその後の日本の状況に触れられ、現在のウクライナやガザ地区の戦乱に伴う惨状は決して他人事ではなく、日本人の多くが経験したこととの認識から平和な世界を築いていくために、どのように生きるのかという視点を示されました。その上で、外交官を目指した名古屋大学附属中学校時代から、同大学附属高校での1年間のアメリカ留学を契機に工学分野に進路変更され、半導体研究者となった経験を中高生の進路選択のヒントとして語られました。さらに、太古の時代から人類が生み出し、現代でも重要な身の回りの科学・技術や人間の生存のためのエネルギーと自動車の使うエネルギーの対比に関する話題から、大学院時代でのノーベル賞受賞者の江崎玲於奈先生との出会いやそれが契機となって実現したアメリカのIBM研究センターでの研究体験のエピソードなどを交えて、約90分間の講演となりました。
   質疑応答では、教えられることと自ら学んで身につけることの喜びの違いや研究論文を読むときの留意点などにも触れて、5回読むことで理解を深めるだけでなく自分の研究を拡げるひらめきの材料にすることなどを語られ、中高生にとっては、将来の生き方への示唆となる講演会となりました。