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2025年度「たわらもとReBORNプロジェクト」のDEMO DAY

2025年度「たわらもとReBORNプロジェクト」のDEMO DAY

 2026年3月30日(月)、奈良県田原本町に開設された「たわらもとReBORN STUDIO」において、2025年度「たわらもとReBORNプロジェクト」のDEMO DAYが開催されました。本イベントは、田原本町が主催し、バイオものづくり領域における産業・人材クラスターの形成と、地域スタートアップの育成・定着を目的とした取り組みの集大成として位置づけられています。当日は行政・金融機関・産業界から多くの関係者が参集し、採択者5者によるピッチが行われました。
 奈良女子大学からは、2名の研究者がプロジェクト採択者として登壇し、それぞれの研究成果と今後の展望を発表しました。
奈良女子大学の三藤清香助教は、「嚢舌類(のうぜつるい)ウミウシ」という希少生物の飼育技術の開発と産業応用の可能性を発表しました。三藤助教は、嚢舌類ウミウシが胴体を自切したのち心臓を含めて再生することを世界で初めて発見しました。また、嚢舌類ウミウシは藻類の葉緑体を体内に取り込んで光合成を行う、動物界でも珍しい特性を持つ生物です。幼生期の高い死亡率という課題に対し、自家培養や独自の飼育装置の開発を通じて、卵から成体まで約3ヶ月での育成に成功しており、発生生物学等や再生医療等のライフサイエンス分野の新規モデル生物としての産業応用が期待されています。
 本田裕樹准教授は、酵素反応を活用した「バイオカソード」技術による水素生成をテーマに発表しました。既存の電気分解では貴金属の使用や、高温・高圧、高アルカリといった過酷な環境が必要となる一方、同研究室が取り組む技術は貴金属フリーで、常温・常圧・中性pHでの水素生成を可能にするものです。特に、山間部の小水力発電など従来のインフラが整備されていない地域における分散型エネルギー供給との相性が高く、地域資源を活かしたエネルギー転換の観点からも注目されています。今年度は市場調査やニーズヒアリングを通じて技術の適用可能領域を整理し、企業連携の可能性についても検討を進めてきました。
 今回のDEMO DAYでは、奈良女子大学の2名の研究者のほか、奈良先端科学技術大学院大学、民間スタートアップなど計5者が発表を行い、バイオものづくりを軸とした多彩な取り組みが紹介されました。奈良中央信用金庫理事長も来賓として登壇し、地域金融機関として本プロジェクトを全力で支援していく姿勢を表明されました。
 奈良国立大学機構および奈良女子大学は、今後も地域社会・産業界との連携を深め、研究成果の社会実装と地域イノベーションの促進に積極的に取り組んでまいります。

発表されたメンバーの方々

本田准教授

三橋助教