万葉プロジェクト

大学にとっての万葉プロジェクト
万葉プロジェクトは、奈良の歴史文化資源、とりわけ奈良女子大学の研究レガシーの一つである万葉歌碑データベースを起点として、大学における教養教育プログラムとしてスタートしました(万葉歌碑プログラム)。大学周辺に点在する歌碑を、単に知識として理解する対象としてではなく、知識を魅力へと変換し、他者に伝える対象として位置づけています。海外留学生や地域の子どもたちなど、日常的には接する機会の少ない相手とのコミュニケーションを通じて、双方向的な身体的・感覚的経験を重ねながら学びを深めていくPBL型学習を特徴としています。
このように万葉プロジェクトは、教育・文化・地域を往還することを通じて、学びが日常や生活に根差した営みであることを再確認する場としても構想されています。
万葉プロジェクトとは
万葉集を起点とした地域振興 × 教育の融合による対話型協働学習プログラム
― 自省・傾聴・共創が紡ぐ学びのイノベーション
本プロジェクトは、奈良の歴史や文化を象徴する『万葉集』を出発点とし、地域への学びを深め、“自省”・“傾聴”・“共創”により 統合的な実践知を育む探究型教養教育です。
対話型協働学習によって歴史的・文化的知見を深め合い、それらの学びを魅力に転換し観光企画や街歩きといった実践に応用する PBL型演習を展開しています。実践後には、“自省”を通じて計画と達成をふり返らせる内面的対話を促進し、加えて、仲間との「聞 き合い」による“傾聴”を通じて、当事者性や他者性の認知や自己認識の客観視を深め合います。さらに、他者の視点や経験を引き受 け、イメージし、ことばに返しながら“共創”し合うことで個々の知の統合をはかります。
こうした段階的かつ循環的な学びを通して、 非認知能力を実践的に育み、正解のない問いに向き合いながら、さまざまな課題を主体的に捉え、他者と協働して思考を深め合う力 を養い、変化の時代を創造的に切り拓いていく人材の育成を目指しています。
対話型協働学習によって歴史的・文化的知見を深め合い、それらの学びを魅力に転換し観光企画や街歩きといった実践に応用する PBL型演習を展開しています。実践後には、“自省”を通じて計画と達成をふり返らせる内面的対話を促進し、加えて、仲間との「聞 き合い」による“傾聴”を通じて、当事者性や他者性の認知や自己認識の客観視を深め合います。さらに、他者の視点や経験を引き受 け、イメージし、ことばに返しながら“共創”し合うことで個々の知の統合をはかります。
こうした段階的かつ循環的な学びを通して、 非認知能力を実践的に育み、正解のない問いに向き合いながら、さまざまな課題を主体的に捉え、他者と協働して思考を深め合う力 を養い、変化の時代を創造的に切り拓いていく人材の育成を目指しています。
- 教養教育としての狙いと位置付け★
- 本プロジェクトは、知識習得を目的とする教育にとどまらず、物事に向き合う姿勢や態度を育む実践的な教養教育として位置づけられます。具体的には、他者性・当事者性・想像力といった、人間の思考や判断の基盤となる力を育むことを重視しています。 万葉歌碑という歴史文化資源を媒介に、学生たちは知識を他者に伝える役割を担い、他者の視点と往還しながら、自らの行動やその結果の意味を再構成していきます。この過程は、単なる知識理解を超えて「学びの姿勢」を形成するものであり、情報過多の現代において教養教育の原点をあらためて捉え直す試みでもあります。
- 小大連携の意義★
- 万葉プロジェクトの特徴の一つは、小学校と大学が協働する小大連携の枠組みにあります。小学校における日常的な学びの実践に対し、大学は専門知や研究的視点、さらに多角的なコーディネーション機能を提供することで、学びをより深く、広く展開していきます。 この連携は、単なる支援関係ではなく、教育実践と学術的知見が往還する協働的な関係として設計されています。小学校単独では到達しにくい問いの設定や省察の深化を可能にすると同時に、大学にとっても教育現場から新たな知見を得る機会となっています。こうした相互補完的な実践を通じて、附属学校を擁する大学の意義を具体的に示すモデルの構築を目指しています。
- 奈良の歴史文化を題材とする独創性★
- 本プロジェクトは、古い歴史と豊かな文化を有する奈良という地域に特化した資源を教育の中核に据え、学びと継承を両立しようとする実践である点に独創性があります。万葉歌碑は、文学的・歴史的価値にとどまらず、人びとのさまざまな営みや感情、自然との関係性を現代に伝える媒体でもあります。さらに、万葉歌碑そのものが近現代に建立されたものであることから、歴史の伝承や継承の思いに触れる具体的な存在としても重要な意味を持っています。
こうした資源を教室外の実空間において体験的に捉え直すことで、学びは抽象的な知識から具体的な感性や経験へと転換されていきます。さらに、地域の文化資源を起点とした学びは、子どもたちが住み慣れた地域における自らの生活や社会との関係を再認識する契機ともなります。奈良の歴史文化を媒介とすることで、地域に根ざしながら普遍的な学びの在り方を多角的に提示している点に、本プロジェクトの意義があります。
各取り組みの記録
令和6年度
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R6.11.29 フィールドワーク★
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奈良女子大学の授業において、学生主体で万葉歌碑を活用した観光ルートを検討し、街歩きを行った。
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R6.12.23 第1回ワークショップ★
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授業内で作成した観光ルートについて紹介・検討するワークショップを開催した。
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R7.01.24 5年星組フィールドワーク★
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学生が作成した、奈良女子大学周辺の万葉歌碑を巡る観光ルートをもとに奈良女子大学附属小学校の児童を案内する街歩きを実施した。
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R7.01.31 フィールドワーク★
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万葉歌碑・史跡ワークショップに参加する留学生に対して、奈良女子大学周辺の万葉歌碑を巡る観光ルートを紹介した街歩きについて振り返り、検討するワークショップを開催しました。
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R7.02.07 第2回ワークショップ★
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留学生に対して、奈良女子大学周辺の万葉歌碑を巡る観光ルートを紹介した街歩きについて振り返り、検討するワークショップを開催した。
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R7.02.24 第1回明日香ツアー★
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万葉歌碑・史跡ワークショップに参加する留学生に対して、万葉集を中心とした日本の古代文化に触れてもらうため、明日香村の奈良県立万葉文化館や石舞台古墳、飛鳥寺に訪れました。
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令和7年度
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R7.04.03 第3回ワークショップ~万葉歌碑データベースについて考える~★
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万葉歌碑データベースについて奈良女子大学文学部・宮路教授の学生と奈良女子大学生活環境学部・須藤教授の学生の研究発表を行うワークショップを開催した。
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R7.04.17 第4回ワークショップ~万葉歌碑データベースに「テキスト構造化」がもたらす可能性について~★
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万葉歌碑データベースについて奈良女子大学文学部・宮路教授の学生と奈良女子大学生活環境学部・須藤教授の学生の研究発表を行うワークショップを開催した。
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R7.05.15 第5回ワークショップ~みんなで街歩きを振り返る~★
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学生が作成した、奈良女子大学周辺の万葉歌碑を巡る観光ルートをもとに機構職員を案内した街歩きを振り返るワークショップを開催した。
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R7.05.27 第2回明日香ツアー★
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奈良先端科学技術大学院大学および奈良国立大学機構国際戦略センターと連携し、奈良先端科学技術大学院大学や奈良教育大学、奈良女子大学の留学生に対して、万葉集を中心とした日本の古代文化に触れてもらうため、明日香村の万葉文化館や石舞台古墳に訪れました。
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R7.05.29 6年月組フィールドワーク★
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学生が作成した、奈良女子大学周辺の万葉歌碑を巡る観光ルートをもとに奈良女子大学附属小学校の児童を案内する街歩きを実施した。
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R7.06.05 第6回ワークショップ~街歩きを振り返る~★
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学生が作成した、奈良女子大学周辺の万葉歌碑を巡る観光ルートをもとに奈良女子大学附属小学校の児童を案内する街歩きを振り返り、検討するワークショップを開催した。
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R7.06.06 第6回ワークショップ~街歩きを振り返る~★
- 奈良女子大学文学部と連携し、奈良女子大学古代学・聖地学研究センターの阪口研究協力員を講師に招き、「明日香と佐保の万葉歌」と題して社会人向けの講座を実施しました。受講者は歌が詠まれた当時の政治的背景や飛鳥宮を取り巻く環境に思いを馳せながら、万葉集に収められている歌を読み解きました。
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R7.06.13 リカレント授業「文化財の保存と活用―地域での実践―」★
- 奈良女子大学文学部と連携し、大淀町教育委員会の松田氏を講師に招き、「文化財の保存と活用-地域での実践-」と題して社会人向けの講座を実施しました。文化財の保存を通して、文化財をどのように活用するか、地域にどのように還元し、まちづくりに活かしていくかといった視点で講義をしていただきました。
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R7.06.19 第7回ワークショップ~テキストデータの構造化~★
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慶應義塾大学の永崎研宣教授をお招きし、テキストデータの構造化について講演いただき、併せて人文学のための電子テキスト構造化に関するワークショップも開催した。
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R7.06.20 リカレント授業「大伴旅人の望郷歌」★
- 奈良女子大学文学部と連携し、奈良女子大学古代学・聖地学研究センターの阪口研究協力員を講師に招き、「大伴旅人の望郷歌」と題して社会人向けの講座を実施しました。大伴旅人が詠んだ歌を年代順に取り上げ、当時の政治的背景や自然環境をふまえて、その人生について読み解きました。
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R7.06.27 リカレント授業「墨とたわむれる」★
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奈良女子大学文学部と連携し、墨運堂の奥田氏を講師に招き、「墨とたわむれる」と題して社会人向けの講座を実施しました。習字体験を通して、墨の違いによる書き心地や発色の差について理解を深めました。
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R7.07.01-18 墨運堂奥田様 個展(@交流テラス)★
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奈良カレッジズ交流テラスにて、墨運堂の奥田氏の個展「森のしずく」を開催しました。会場には約20点の作品が展示され、学生、機構教職員、地域住民が鑑賞に訪れました。
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R7.07.04 リカレント授業「奈良の墨づくり」★
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奈良女子大学文学部と連携し、墨運堂の松井社長、河野氏、奥田氏を講師に招き、「奈良の墨づくり」と題して社会人向けの講座を実施しました。墨運堂や奈良墨の歴史、香料をはじめとした原料へのこだわりについて紹介いただき、最後には固形墨に絵具で着色をする体験を行いました。
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R7.07.07 3年月組・星組 墨運堂授業「奈良の墨づくり」★
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株式会社墨運堂の奥田氏を講師に迎え、「奈良の墨づくり」と題して奈良墨の歴史を学ぶとともに、墨を擦って自分なりの作品を制作した。
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R7.07.11 6年星組 墨運堂授業「奈良の墨づくり」★
- 株式会社墨運堂の奥田氏を講師に迎え、「奈良の墨づくり」と題して奈良墨の歴史を学ぶとともに、墨を擦って自分なりの作品を制作した。
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R7.07.14 6年星組 父兄参観(工場跡事務室のしそジュース提供)★
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7/11の授業「奈良の墨づくり」にて作成した書道作品を、奈良国立大学機構奈良カレッジズ交流テラスに展示した。児童の作品のほか、株式会社墨運堂社員兼書道アーティストの奥田氏の作品を展示した。児童らは参観で訪れた父兄とともに作品を鑑賞した。
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R7.07.16 3年月組・星組 LaQ授業「LaQパズルを使った創作活動」★
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知育玩具「LaQ」を製造するヨシリツ株式会社社員兼LaQ博士の善積氏を講師に迎え、自分なりの夏らしい作品を制作した。
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R7.07.18 リカレント授業「気持ちをこめて墨で書く・描く」★
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奈良女子大学文学部と連携し、墨運堂の奥田氏を講師に招き、「気持ちをこめて墨で書く・描く」と題して社会人向けの講座を実施しました。文化財や伝統の技を守り継ぐためにはどうすればよいか、受講者同士で意見交換を行いました。
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R7.07.22-24 LaQ展示(@交流テラス)★
- 奈良カレッジズ交流テラスにて、ヨシリツ株式会社のLaQ博士がLaQで作成した正倉院の模型が展示されました。
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R7.07.29 シルクロード展(@奈良市美術館)★
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奈良市美術館にて開催された「シルクロード展」の展示品の一つとしてヨシリツ株式会社のLaQ博士がLaQで作成した正倉院の模型が展示されました。
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R7.09.17-19 6年月組・星組 しごと合宿★
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宮城県石巻市の震災遺構である大川小学校と門脇小学校、福島県双葉町の東日本大震災原子力災害伝承館、飯舘村の山津見神社を訪れ、東日本大震災の被害に遭った町、建物、人々について学び、災害教育を通して自分なりに考えたことを発表し、聞き合いを行った。
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R7.09.30 6年月組・星組 さほ姫の会・日本舞踊★
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奈良女子大学日本舞踊部「さほ姫の会」に所属する学生と山村流上方舞の山村氏を講師に迎え、礼の仕方や舞の型を教えていただき、最後には講師とともに演目「桃太郎」を舞った。
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R7.10.10-30 入江泰吉写真展(@交流テラス)★
- 奈良カレッジズ交流テラスにて、入江泰吉美術館所蔵の写真が約●点展示されました。学生、機構教職員、地域住民が鑑賞に訪れました。
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R7.10.17 6年星組 墨の体験学習★
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奈良カレッジズ交流テラスにて、墨運堂の奥田氏を講師にお迎えし、自分なりのテーマを定め、墨を用いた作品を制作しました。また、同日に交流テラスにて開催していた「入江泰吉写真展」の作品を鑑賞しました。
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R7.11.26 6年星組「墨で感じる白と黒の世界」★
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●●●(授業内容)
また、児童らが制作した作品は、11/20に奈良公園バスターミナルレクチャーホールにて開催した「雄呂血」の上映会にて展示されたほか、ドリップコーヒーのラベルに使用され、「雄呂血」の鑑賞に訪れた方々に配られました。
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R7.11.27 3年月組 墨運堂見学「墨で名前をかく」★
- 奈良女子大学附属小学校3年星組の児童が墨運堂の「墨の資料館」を訪れ、墨づくりの方法や歴史について学習した。その後、併設の永楽庵にて、墨を用いて大きな紙に自分らしい字で名前を書きました。
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R7.12.03 3年星組 墨運堂見学「にぎり墨体験」「墨で名前をかく」★
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奈良女子大学附属小学校3年星組の児童が墨運堂の「墨の資料館」を訪れ、にぎり墨体験を通して墨づくりの方法や歴史について学習した。その後、併設の永楽庵にて、墨を用いて大きな紙に自分らしい字で名前を書きました。
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R7.12.24 第1回シンポジウム★
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これまでの万葉プロジェクトの取組や、大学周辺の歴史・史跡をめぐる教養教育の開発について振り返るとともに、奈良国立大学機構企画課長の寺本氏をゲストに迎え、奈良の独自性を軸とした教養教育や教職協働についてパネルディスカッションを実施した。
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R8.01.26 第2回シンポジウム★
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株式会社墨運堂(以下墨運堂)と奈良女子大学附属小学校との連携を振り返るとともに、墨運堂社員兼書道アーティストの奥田氏、奈良女子大学附属小学校の井平教諭をゲストに迎え、小大連携や地域産業との協業についてパネルディスカッションを実施した。
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R8.02.19 第3回シンポジウム★
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奈良女子大学附属小学校との小大連携の取組に関する(6年生修学旅行)振り返りを行うとともに、慶應義塾大学標葉准教授、奈良女子大学附属小学校島袋教諭をゲストに迎え、附属学校の特徴と大学が関与する重要性や災害教育についてパネルディスカッションを実施した。
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成果物
- ことばの旅(詩集)★
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- ことばの旅(詩集)★
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