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リカレント教育講座「ならと近鉄電車の関わり」を実施しました

リカレント教育講座「ならと近鉄電車の関わり」を実施しました

奈良県生駒市生涯学習課との連携により、全4回の講座を実施しました。本講座では「近鉄電車」をキーワードに、大学教員および近鉄職員がそれぞれの専門的視点から、近鉄電車と奈良の歩み、地域振興の取り組み、沿線に広がる大和古寺の魅力、特別支援教育における「鉄オタ俱楽部」(奈良教育大学)の活動などを紹介しました。自治体関係者や沿線に店舗を構える事業者の方など15名が受講し、奈良と近鉄電車の関わりを体系的に理解する機会となりました。

 

 

■近畿日本鉄道と古都・奈良
[講師]奈良大学 三木理史 氏
[開催]2026年1月10日
近畿日本鉄道の成立と発展を軸に、鉄道が奈良の都市形成や人の流れに果たしてきた役割について、歴史的な視点から解説が行われました。近鉄が主要な交通機関として奈良の都市構造に大きな影響を与えてきた背景や、生駒トンネル建設、沿線開発の事例を通じて、鉄道と地域の関係が具体的に示されました。講義を通じ、近鉄が奈良の歴史と空間形成を支えてきた重要な存在であることが改めて確認されました。

 

■地域振興と観光支援活動
[講師]近鉄グループホールディングス株式会社 木本和彦 氏
    近畿日本鉄道株式会社 森本耕司 氏、髙井英夫 氏
[開催]2026年1月18日
近鉄職員を講師に迎え、鉄道事業の歴史から現在の地域・観光振興の取り組みまで、多角的な視点から講義が行われました。鉄道事業の基礎や車両の工夫、沿線と観光が連動して発展してきた歴史に加え、近年の情報発信やイベント、観光資源を生かした取り組みが紹介されました。さらに、将来を見据えた「需要を生み出す」戦略についても触れられ、鉄道が地域社会に果たす役割を総合的に学ぶ機会となりました。 

 

■生駒と起点にたどる大和古寺の魅力―仏像に出会う沿線ガイド―
[講師]奈良女子大学 佐藤有希子 氏
[開催]2026年1月20日
生駒を起点に奈良市方面へと続く沿線地域に点在する大和古寺を取り上げ、各寺院の仏像を中心に、その歴史的背景や信仰の意味について解説が行われました。「祈りの道」という視点から、仏像を人々の祈りや社会を映し出す存在として捉え、信貴山朝護孫子寺や法隆寺、東大寺、興福寺などの事例を通じて、時代ごとの信仰や造形の変化が示されました。仏像が歴史と社会を読み解く重要な手がかりであることを学ぶ機会となりました。

 

■奈良教育大学特別支援教育研究センター「鉄オタ俱楽部」の取り組みについて
[講師]奈良教育大学 富井奈菜実 氏
[開催]2026年1月26日
ASD(自閉スペクトラム症)の特性を持つ子どもたちを対象に活動する「鉄オタ俱楽部」の取り組みについて紹介が行われました。鉄道への強い関心を「強み」として捉え、仲間と語り合いながら安心して過ごせる居場所づくりの意義が示されました。活動を通じて自信を育み、支えられる立場から支える立場へと成長していく姿や、卒業生の経験談から、本取り組みが子どもたちの可能性を広げていることが具体的に伝えられました。

 

 

<受講された方からの感想>
・近鉄電車の歴史や生駒トンネル開通、地域との関わりについては以前からある程度知っていましたが、本講座を通じて体系的に理解することができました。
・「鉄オタ俱楽部」の卒業生のお話を伺った際には、昔の自分を見ているようで微笑ましく感じました。かつては鉄道好きが変わり者と見られることもありましたが、堂々と「好き」を語り、それを強みにしている姿がとても印象的でした。
・第1回では、近鉄の前身である大阪電気軌道の歴史や発電所設置の背景について学び、第2回では、現役の近鉄社員から路線拡大の経緯や地域振興・観光支援の取り組みについて教えていただきました。
・これまでに訪れたことのある奈良の古寺や、鑑賞したことのある仏像について、講義で示された視点を通して改めてその魅力を再認識することができました。